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柴犬が億万長者になる話

2回中退を経て慶應へ通う柴犬が20億円は稼ぐ

インドKUMONの展開

商学部経営学レポート

①インド公文の最終的目標は、インドの教育格差を解消することである。ただ2007年時点では初期段階であるため教育の質を重視し、それに即した組織作りを目指していた。そのためアッパーミドル層の子供だけを対象にしていた。インドでは中間所得層の比率は年々拡大しているとはいえ2005年の9%から2009年には14%という数値が予測されていることからも止むを得ないと考えた。よって私はインド進出の成功を「インド2014年ビジョンに向けた礎を築くこと」と定義しようとしたが、KUMONのHPによると2015年時点でインド2014年ビジョンは達成できていないかった。理想は、2014年までにインド北部で2000数室、インド南部で1500教室を開設し、50万人の子供達が公文式を学習している状態を作り出すというものであった。一方で現実は、13都市で85教室を展開、学習者数は1万1千を超えたところである。

ただ「意図された戦略」と「創発的戦略」は異なることからも私はこの点は問題にしなかった。そこで私は「成功」を「現状より良い未来を築けるよう最善の努力をし一定の結果を出していること」と定義した。そして、私は、インド進出を「成功している」と考えた。これには理由が3つある。

1)インド公文社長の人選

インド公文社長の小林裕幸の人選は異例中の異例だった。確かに高い潜在能力と公文に対する熱意を持ち合わせる人物として社内公募制度を通じ選ばれた。ところが、経営管理と海外勤務経験を持たない30代の若者だった。インドという重要国に行かせることに反対するものも居たが、「インド公文は小林とともに成長していき、彼を支えるメンバーも成長しなければならない」という仮説を持って取り組まれた。結果、この仮説はインドで検証、実証された。この仮説は、様々な国の取り組みに影響を与え公文の海外事業のCosts削減に繋がったと考える。事実、カタール公文新社長には28歳の若者が任命された。

 

2)現地社員の採用と教育

採用活動において、小林らは3点を意識した。まず、優秀な人財を見つけること。次に、同じ考えを持つ同志を増やすこと。最後に、採用活動時にすでにトレーニングが始まっていると認識することである。結果、7名が採用された。彼らは、業務日誌を毎日作成し、それを定期的に日本のメンターに送ることでフィードバックを得た。その後、それぞれが受けたフィードバックを仲間と共有することで、ともに成長しながら日々の業務を改善することを目指した。また、他国の社員を招いて研修をしたり他国の教室を訪問したりすることを推奨した。このように公文の経営理念に共感する人財獲得に成功したことでインド公文の教育を受けたいという顧客のWtoPを高めることに成功した。また、インド公文の成功例に倣い、他国の公文でも同様の人財採用手法が導入された。海外事業において優れた人材を探し継続して自社に利をもたらすという点で、Costs削減につながると考える。もし不適切な人材を採用した場合には公文ブランドは傷つき顧客にとっても不利益になるからである。例えば、中国で公文を立ち上げた際には、中国プロジェクトチームは有能な社員の採用に莫大な労力を費やした。

 

3)インド文化を克服した組織

通常、インドの組織には、厳しい階級制度が存在し、地位による明確な違いがあった。このため、公文の逆ピラミッド型のフラット組織は、現地社員には理解が難しかった。小林は、それを現地社員に自らの行動で示すことで、この見解の相違を克服しようとした。具体的には、帰宅時間を告げることや朝礼と月例報告会を開催することであった。結果、各人の行動計画を共有することで教育改善に繋がった。そして顧客のWtoPを高めることに成功した。

 

 

 

②私は、学校内会場型教室を活用したフランチャイズ展開が最も有効なアプローチだと考える。3つの点が主な理由である。

 

1)まず、学校施設を利用する点である。第一の選択肢の懸念点である施設面の課題を解消できる可能性がある。加えて施設費用を最低限にとどめることができる。フランチャイズ展開を行うには1から整えなければならないので、設備投資がかかってしまう。ところが、既存の設備を利用すればCostsを大幅に削減することができる。

 

2)次に、子供に安全な教育環境を提供することができる。多くの学校は、安全な住宅地内に位置するため親の立場から見ても安心できる。実際に安心感は子供の学習に良い影響を及ぼすというデータがある。そのため顧客の学ぼうとするWtoPを高めることにつながる。

 

3)最後に、インドで公文の良き理解者を増やすことができる。インド文化において横の結びつきが強いのがインドの学校長である。このインド文化を逆手に取り、学校町に対して社員が公文式を説明する機会が増えることで、インドに公文を浸透することにつながる。そして学校という組織のトップを抑えることで無用な説得というCostsを減らすことができると私は考える。

 

 

 

◎参考文献

網倉久永、新宅純二郎「経営戦略入門」日本経済新聞出版社

KUMON HP 「インドでの公文式教室展開から10年」

森文子「子供の学ぼうとする意欲を高め、確かな学力の向上を図るために」