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柴犬が億万長者になる話

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女性下着トリンプとワコールについて分析してみた

商学部経営学レポート

1.垂直統合と女性下着市場について

2.トリンプの経営施策と制度

3.ワコールの経営施策と制度

4.トリンプとワコールそれぞれにおける直営店の役割の違い

5.ワコールが自社工場を保有することに関する考察

6.今後、ワコールがとるべき戦略

7.参考文献

 

 

1.垂直統合と女性下着市場について

同一製品分野内で「取引関係にある活動単位」へ進出して企業活動の範囲を拡大することを「垂直統合」と呼ぶ。コントロールと調整の一元化による取引コスト節約と情報の有効活用ができるメリットがあるものの、デメリットもある。取引相手の機会主義的行動のリスクが発生したり、取引機会が制限され、(1)活動集約によるコスト低下、(2)専門化による独自能力の向上、(3)競争圧力による価値低下•品質向上などの市場取引のメリットは享受できなくなる。次に日本の女性下着市場について述べよう。日本には、女性下着商品にかかわる製造業者が60社以上存在した。業界第1位のワコールは、20〜25%の市場シェアを占め、トリンプグンゼ、シャルレ、ピーチ•ジョンなどがそれに続いた。

 

 

 

 

2.トリンプの経営施策と制度

トリンプのキーワードは、「やってみる」「方向転換」の2つである。この2つを成り立たせるためにトリンプは、毎朝8時半から約1時間開かれるMS会議を行っている。テレビ会議に日本各地のオフィスが東京の本社とつながる。40〜50に及ぶ議題が1時間で議論されるため、1つの議題には1〜2分程度しか割り振られない即断即決が重要になっている。全ての議題に「デッドライン」を設定しMS会議では、必ず当日がデッドラインとなるテーマが議題にあがる。そのため議論を戦わせ、決定しないと次のステップに進めないという仕組みを作っている。また、他にも毎日12時30分から14時30分までの「がんばるタイム」を設けている。がんばるタイムの時間内は、コピーを取る、電話をする、社内を歩き回るなどの行動は禁止された。この時間、社員は自分自身の業務に集中しなくてはならず、結果的に各個人の業務の効率性の向上につながっている。商品企画やマーケティングに関しても同様に「まずはやってみて、反応を見ながら少しずつ方向転換していく」というアプローチを徹底している。在庫の保管方法も小売業界の慣例ではない新しいマーチャンダイジング手法を導入している。異なる商品の売り上げの山が次から次へと短期間で移っていくというものである。更にトリンプは自社のアイディアだけでなく、競合他社の商品を徹底的に研究している。競合他社の商品に限らず、店舗オペレーションなども優れた点を見つければ躊躇なくコピーしている。本社よりも現場に人員を投入し確立された閉店ルールのもと直営店を拡大させている。ITを随所に取り入れ素早い行動ができるようにしていることも大きい。

 

 

3.ワコールの経営施策と制度

ワコールのキーワードは、「機能」「品質」の2つである。この2つに基づくワコールの顧客訴求力を支えていた柱の1つが製造部門である。製造機能を自社に抱え、一貫生産販売体制を確立している。もう一つの柱は、人間科学研究所の研究開発である。人間(女性)、衣服、環境の3つの領域に大きく分けられており、これら3領域を構成する様々な要素の定量化を試みている。さらなる取り組みとして「ワコール•ディア」というブランドを立ち上げ、東京•銀座並木通りに68坪の直営店をオープンした。ディアが重視したのは、店舗での顧客のプロセスにおけるユニークな経験である。ゆっくり時間をかけて顧客と対話しながら、顧客のライフスタイルや下着に求める感覚的な価値を提案している。また、「スタイルサイエンス」と名付けた新しいカテゴリーで「ヒップウォーカー」という商品を販売している。スタイルサイエンスの各商品コンセプトに関する情報をコントロールする部門として、スタイルサイエンス部も設立している。

 

 

4.トリンプとワコールそれぞれにおける直営店の役割の違い

トリンプでは本社より店舗に人員を回し施策を素早く反映できるようにしている。これは吉越社長の「店頭こそ通信簿だ。常に新鮮な売り場にするためには、正確な店頭情報をもとに、直ちにお客様の求める商品を送る」という言葉にも表れている。他方でワコールでは、顧客に対する接客に重きが置かれている。ゆっくり時間をかけて顧客と対話しながら、顧客のライフスタイルや下着に求める感覚的な価値を見極め提案している。またワコールの主要顧客層の年齢が高くなっている事から、これらの直営店では20代の顧客を取り込む事を目的としていた。

 

 

5.ワコールが自社工場を保有することに関する考察

トリンプが自社工場を持たない一方で、ワコールは自社工場を持っている。自社工場の保有はワコールに優位性を与えていると私は考える。物流の効率化に遅れを取っていたため以前はその利を最大限に活かす事ができていなかった。しかし製造品質の作り込みという面で優位性を得ている。研究開発した商品を自社工場ですぐさま作る事ができるからである。

 

 

6.今後、ワコールがとるべき戦略

私は、トリンプのSPA(Specialty store retailer of Private label Apparel, 「製品販売アパレル小売業」)戦略とは別に、差別化と優位性を構築するべきであると考える。すなわりインターネット通信販売を開拓するのである。若い世代の顧客は生まれた時からネットがあるためネット通販に対する抵抗が少ないと考える。ワコールの自社工場からの顧客への直接、商品を届けることでマージンの削減につながる。メルカリが、地方の若い20代から使われ始めたように地方の20代女性が好むUI/UX設計を行いアプリやWebサイトを作ると良い。P

 

7.参考文献

網倉久永、新宅純二郎「経営戦略入門」(2015)

一橋ビジネスレビュー「トリンプインターナショナル/ワコール」(2007 SUM.)